WRITTEN BY AKKUN
「春になれば、桃の花が咲く」
この原文は一字も変更せず保存しています。10代のころに長い入院生活を経験し、
その後も何度も入退院を繰り返してきた。
身近な人との別れも、何度か経験してきた。
若くして実弟を亡くし、両親も交通事故で亡くした。
自分自身のことでも、
大切な人との別れの中でも、
僕にとって死は、ずっと遠くにあるものではなかった。
だからなのか、
日ごろから、死というものをどこか身近に感じながら生きてきた。
そして、自分が死んだあとのことも、ときどき考える。
僕は、お墓はいらない。
そのかわりに、一本の木を植えてほしい。
できれば、桃の木がいい。
昔から好きな果物だし、
3月3日生まれの僕にとって、桃はどこか特別なものでもある。
春になれば花が咲いて、
やがて実がなる。
墓石の下に名前を残すより、
季節が巡るたびに、花を咲かせる木が、そこに一本あればいい。
いつか誰かがその木を見て、
ほんの少しだけ僕のことを思い出してくれたら、
それで十分だと思っている。
僕がいなくなったあとも、
春になれば桃の花が咲く。
それくらいが、ちょうどいい。